SEOの内部施策は、ウェブサイトの検索エンジンランキングを向上させるための重要なプロセスです。
本記事では、SEOの内部対策の基本から、具体的な施策項目、注意すべきガイドライン違反について詳しく解説します。
また、おすすめのチェックツールやよくある質問も紹介しますので、SEO施策の一環としてぜひ参考にしてください。
SEOの内部対策とは
SEO(検索エンジン最適化)は、ウェブサイトやウェブページが検索エンジンの検索結果でより高い位置に表示されるようにする手法です。SEO対策には、大きく分けて「外部対策」と「内部対策」があります。
外部対策
外部対策とは、運営しているウェブサイト以外から貼られるリンク(外部リンク)を最適化することで、ドメインの評価が上がり順位も上がりやすくなります。
主な手法は、関連会社や取引先にリンク設置を依頼したり、プレスリリースを依頼して多くのユーザーに知られることで、リンクされる可能性を高めたりする方法が挙げられます。
また、ブラックハットSEOと呼ばれる手法で、ドメインの価値を上げるためだけに別サイトを作成し、リンクする方法もあります。ただし、この方法は多くの検索エンジンにおいてガイドライン違反に指定しているため、ペナルティが課される場合があります。
内部対策
内部対策とは、ウェブサイト自体の構造やコンテンツ、テクニカルな設定を最適化することで、検索エンジンがウェブサイトを適切に評価しやすくする取り組みです。具体的には、ウェブページのタイトルや見出し、メタディスクリプション、画像のalt属性、サイトの内部リンク構造、ページ表示速度などが該当します。
この内部対策は、検索エンジンがウェブサイトを「クロール(探索)」し「インデックス(登録)」する過程で非常に重要な役割を果たします。
また、良い内部対策は、最終的にはユーザビリティの向上にも寄与し、訪問者がウェブサイトで過ごしやすい環境を整えます。
コンテンツSEOとの違い
コンテンツSEOは、内部対策の一部とも言えますが、主にページのコンテンツそのものに焦点を当てた施策です。例えば、キーワード戦略、テキストの品質、内部リンクなどがこれに該当します。一方、内部対策はコンテンツだけでなく、ウェブサイト全体の構造や技術的な側面(例:ローディングスピード、モバイル対応等)も広くカバーします。
内部対策の目的と重要性
SEOの内部対策は、検索エンジンがウェブサイトを正確に評価できるように、そのサイトの内部要素を最適化することが目的です。具体的な施策は多岐にわたりますが、主な目的としては以下の3点が挙げられます。
クローラビリティの向上・改善
検索エンジンがウェブサイトをクロールする際、煩雑なサイト構造や不明瞭なリンク構造はクロールの効率を下げる可能性があります。内部対策によって、サイト全体が効率的にクロールされ、重要なページが適切に評価されやすくなります。
インデックスの向上
ウェブページが検索エンジンにインデックスされる際、タイトルやコンテンツ内のキーワードなどが評価されます。これらの要素を適切に最適化することで、インデックスの質を向上させることができます。
ユーザビリティの強化
内部対策は、最終的にユーザにとってもメリットがあります。例えば、ページ表示速度を上げることでユーザ体験が向上したり、明確なサイト構造とパンくずリストによってユーザが求める情報に容易にアクセスできるようになります。
内部対策の重要性
内部対策の重要性は非常に高く、これを怠ると検索エンジンに正確に評価されづらくなるだけでなく、ユーザビリティが低下する可能性もあります。特に、検索エンジンのアルゴリズムは日々更新されており、適切な内部対策を常に行う必要があります。
また、良好な内部対策がなされていると、その後の外部対策(例:バックリンクの獲得など)も効果的になる場合が多いです。これは、すでにサイト自体が検索エンジンに「信頼される」状態であれば、新たな外部信号が加わることで更なる評価アップが期待できるからです。
クローラビリティの最適化と施策項目例
クロールの最適化とは、検索エンジンのクローラー(またはスパイダー、ボットなどとも呼ばれる)がウェブサイトを効率よく探索できるようにするための施策です。クローラーがサイトを適切にクロールできると、その情報は検索エンジンにインデックスされやすく、最終的には検索結果に良い影響を与えます。以下に、クロールを最適化するための具体的な施策項目をご紹介します。
XMLサイトマップ
XMLサイトマップは、ウェブサイトの全ページをリスト化したXMLファイルです。このファイルを作成して検索エンジンに提出することで、クローラーがサイト内の各ページに効率よくアクセスできます。特に大規模なウェブサイトや新しいウェブサイトでは、XMLサイトマップの利用はほぼ必須です。
サイト構造・リンク構造
サイト構造とリンク構造もクロールの効率に大きく影響します。各ページが適切に内部リンクでつながっていると、クローラーはそのサイト内でスムーズに移動できます。また、重要なページへのリンクを多く設定することで、そのページが検索エンジンに評価されやすくなります。
パンくずリスト
パンくずリストは、ユーザーがサイト内での現在地を簡単に把握できるナビゲーションの一つです。これによって、クローラーもサイトの階層構造を理解しやすくなります。
robots.txt
robots.txtは、クローラーに対して特定のページやディレクトリをクロールしないよう指示できるテキストファイルです。このファイルを適切に設定することで、無駄なクロールを防ぎ、重要なページにクローラーが集中するようにできます。
ページネーションの最適化
記事一覧など、複数ページにわたるコンテンツはページネーションで管理されることが多いです。このページネーションを適切に設定することで、クローラーが各ページを効率よくクロールできます。後述する、ユーザビリティの向上にも役立ちます。
URLの正規化
URLの正規化とは、同一のコンテンツが複数のURLでアクセス可能な場合、一つの「正規」URLを定めてそれ以外をそのURLへリダイレクトやカノニカル(rel=canonical)を設置することです。これによって、コンテンツが重複してインデックスされるのを防ぎます。
インデックスの最適化と施策項目例
インデックスの最適化は、ウェブサイトのページが検索エンジンのインデックスに適切に追加され、高い順位で表示されるようにするための施策です。以下は、インデックスの最適化において特に重要な施策項目とその詳細です。
タイトル
ページのタイトルは、検索結果で最も目立つ部分の一つであり、クリック率(CTR)に大きな影響を与えます。タイトルは各ページの主題を明確に表すものであるべきで、重要なキーワードを含めると良いでしょう。
ディスクリプション
メタディスクリプションは、検索結果に表示される短い説明文です。順位には直接的に影響するわけでは有りませんが、内容が魅力的であれば、クリック率が向上する可能性があります。ディスクリプションにもキーワードを適切に組み込むことが推奨されます。
見出しタグ
見出しタグ(H1、H2、H3など)は、ページの構造とコンテンツの重要性を検索エンジンに示す役割を果たします。適切な見出しタグの使用は、ページが構造的に理解されやすくするだけでなく、検索エンジンのランキングにも寄与します。
画像のalt属性
画像のalt属性は、画像が何に関するものかをテキストで説明するためのものです。このテキストは、画像が表示されない場合や視覚障害を持つ人々がウェブサイトを閲覧する際に有用です。また、alt属性にはキーワードを含めることで、検索エンジンがそのページのコンテンツを適切に評価する手助けをします。
アウトバウンドリンク(発リンク)
アウトバウンドリンク(発リンク)は、ウェブページから別のウェブページへのリンクのことを指し、これがSEOの内部対策の一環となります。アウトバウンドリンクは、ユーザーにとって価値ある追加情報を提供し、ウェブサイトの信頼性と権威性を向上させる効果があります。
これは、検索エンジンがユーザーに有益なコンテンツを提供するサイトを評価するため、正しいアウトバウンドリンクの設置はサイトの検索順位向上にも影響します。
構造化マークアップ
構造化マークアップ(Schema Markup)は、ページのコンテンツを検索エンジンに詳細に説明するためのコードをページに追加する手法です。例えば、レビューの星評価や料理のレシピ、イベントの日時など、特定の情報を検索エンジンが理解しやすい形で提供できます。
ユーザビリティの最適化と施策項目例
ユーザビリティの最適化は、ウェブサイト訪問者に対する使いやすさを高めることを目的としています。このアプローチはSEOにも直接影響を与えるため、非常に重要な内部施策の一つです。以下に、その主要な施策項目を詳しく説明します。
モバイルフレンドリー
スマートフォンでの閲覧が増えている現代では、モバイルフレンドリーなデザインは必須です。レスポンシブデザインを採用することで、デバイスに応じて最適な表示がされるようにしましょう。
ページ表示速度
ページの表示速度が遅いと、訪問者はすぐに離脱してしまう可能性が高くなります。また、表示速度は検索エンジンランキングにも影響を与えるため、画像の圧縮やキャッシュの最適化などで速度を上げる工夫が求められます。
オリジナルの404エラーページ
サーバー側が用意しているデフォルトの404エラーページではなく、オリジナルのものを用意することで、訪問者に対して次の行動を促すことができます。例えば、「トップページへ戻る」リンクやサイト内検索バーを設置することが有用です。
SSL化
SSL(Secure Socket Layer)は、ウェブサイトのセキュリティを高める技術です。特に、個人情報を扱うウェブサイトではSSL化が必須とされていますが、GoogleもSSL化されたウェブサイトを評価しているため、全てのウェブサイトでの導入をおすすめします。
過度な内部対策は要注意!内部対策のガイドライン違反とは
SEOの内部対策は、ウェブサイトの検索エンジンランキングを向上させるために不可欠ですが、過度な対策や不適切な手法は検索エンジンからペナルティを受ける原因となります。以下に、ガイドライン違反とされる代表的な内部対策の例を挙げます。
クローキング
クローキングは、検索エンジンのクローラーには異なるコンテンツを、実際の訪問者には別のコンテンツを表示する手法です。この方法は、検索エンジンに高くランクされるために不正な手法を利用するもので、検索エンジンのガイドラインに違反しています。クローキングが発覚した場合、サイトは検索結果から除外される可能性があります。
サイトの設定次第では、意図せずクローキングになる場合もありますので、注意が必要です。
隠しテキスト
隠しテキストは、ユーザーには見えないが検索エンジンのクローラーには読み取られるテキストをページに配置することです。
例えば、背景と同じ色のテキストを配置することで、キーワードを不自然に多く含ませることができます。しかし、これも不正なSEO対策と見なされ、ペナルティの対象となります。
キーワードスタッフィング(キーワードの詰め込み)
キーワードスタッフィングは、ページ内に関連性のないキーワードを不自然に多く配置する手法です。これによって、検索エンジンがページを特定のキーワードに対して高く評価することを狙います。
しかし、検索エンジンはこのような手法を検出しやすくなっており、キーワードスタッフィングが見つかると、ランキング低下やページの除外が行われます。
これらのガイドライン違反は、短期的な利益を追求するものであり、長期的なサイトの健全な成長には繋がりません。ユーザーに価値あるコンテンツを提供し、適切なSEO対策を心掛けることが重要です。違反行為は、信頼の失墜やビジネスへの悪影響を招く可能性があるため、絶対に避けるようにしましょう。
内部対策におすすめのツール
SEOの内部対策を効率よく進めるためには、適切なツールを使うことが不可欠です。ここでは、おすすめのSEOチェックツールを紹介します。
各ツールには独自の特長と機能があり、複数を組み合わせて使用することで最も効果的な分析と施策が可能になります。
Screaming Frog SEO Spider
このツールは、ウェブサイトをクロールし、SEOに関連する多くの情報を抽出してくれます。タイトルタグやメタディスクリプション、リダイレクト、404エラーなど、多岐にわたる要素をチェックできます。これ一つで多くの内部施策の対象項目を確認できるため、非常に便利です。
SEOチェキ
日本製のSEOチェックツールで、日本語のウェブサイトに特化しています。利用者が多いため、信頼性も高いです。基本的なSEO要因から、内部リンクや外部リンク、ページ速度まで、多くの点を総合的に評価してくれます。
Google Search Console
Googleが提供する無料のツールで、自分のウェブサイトがGoogle検索でどのように表示されるかを調査することができます。また、インデックスの問題点やセキュリティ問題なども報告してくれます。
PageSpeed Insights
このツールはGoogleが提供するウェブページの速度をテストするツールです。モバイルフレンドリーな設計や表示速度の最適化など、ユーザビリティに関連する要素もチェックできます。
ahrefs
外部リンクやキーワードランキングに特化したSEOツールですが、サイトオーディット機能を使うことで内部SEOに関する多くの情報も取得できます。競合他社のサイト分析にも使えるため、マーケット全体のSEO状況を把握するのに役立ちます。
CopyContentDetector
CopyContentDetectorは、ウェブ上のコンテンツが他のサイトやページと重複していないかを確認するためのオンラインツールです。SEOの内部対策の一環として、オリジナルコンテンツの作成は非常に重要です。このツールは、コンテンツがユニークであるかどうかを確認し、重複コンテンツの問題を未然に防ぐ手助けをしてくれます。
SEOの内部対策診断サービスの選び方
SEOの内部対策を効果的に行うためには、専門的な知識と時間が必要です。これには多くの企業が専門の診断サービスを利用します。しかし、多くのサービスが提供されている中で、どれが最も適したものかを選ぶのは容易ではありません。以下に、SEOの内部対策診断サービスを選ぶ際のポイントをいくつか挙げてみましょう。
サービスの信頼性と実績
サービス提供者の信頼性や過去の実績を確認することは非常に重要です。クライアントのレビューや評価、ケーススタディなどを通じて、そのサービスの品質を判断することができます。
提供される内容の網羅性
内部対策は多岐に渡るため、診断サービスがどれだけ多くの項目を網羅しているかを確認することが重要です。たとえば、クロール最適化、インデックス最適化、ユーザビリティの最適化などが網羅されているかを確認しましょう。
カスタマイズ可能性
すべてのウェブサイトが同じニーズを持っているわけではありません。したがって、自分のウェブサイトに合わせて診断内容や施策をカスタマイズできるかどうかも重要なポイントです。
価格とコストパフォーマンス
予算は多くの企業にとって重要な要素です。診断サービスの費用とその内容がバランスよく、そして合理的であるかどうかを評価する必要があります。
サポート体制
診断後のサポート体制も考慮するべきです。具体的な施策のアドバイスや疑問解決のためのサポートがしっかりと提供されるかどうかを確認しましょう。
以上のポイントを踏まえて、最も適したSEOの内部対策診断サービスを選ぶことができれば、より効果的なSEO対策が期待できるでしょう。
まとめ
SEOの内部対策は、検索エンジンにウェブサイトを効率的に認識させるため、またユーザビリティを高めるために非常に重要です。
クローラビリティの最適化からインデックスの最適化、さらにはユーザビリティの向上まで、多くの要素が関連しています。本記事で上げた施策項目はごく一部であり、さらに詳しく知りたい方は弊社の内部対策サービスをご利用ください。
関連記事
「どの企業に問い合わせをしたら良いか、わからない」という方へ
目的・ニーズに合致したネットリサーチ会社を、専門データベースをもとにご紹介いたします。
専門担当に相談する【お電話でのご相談】 03-5459-6616 (受付時間10:00~19:00)