重回帰分析とは
重回帰分析は多変量解析の一種であり、単回帰分析が一つの説明で結果を推測するのと比べ、重回帰分析では一つの目的に対し複数の要因を考え、結果を予測します。この分析の目的は分析対象における要因が何なのか、そしてそれに付随して変動する因果関係は何か、またその要因がどれほど結果に影響を与えているかなどを調べることにあり、具体的には売り上げがどのような原因で向上、または低下しているのかなどといった情報を知ることが最大のゴールです。そして分析結果を数字で表すことができるという点から、プレゼンテーションなどで説得力のあるデータを使用したい場合などにも有効です。
また、重回帰分析は単回帰分析と違い多くの説明変数を分析に使用することから、説明変数を増やせば増やすほど結果を数値化するまでに手間と時間がかかります。しかし複雑な情報網から洗い出された情報は精度が高く利用価値が高いこと、また結果を数値化できるという点から広い用途でデータ結果を使用することが可能であり、重回帰分析へ費やす時間は決して無駄にはならないと言えるでしょう。
重回帰分析の手順
重回帰分析の概要がわかったところで、次は具体的な数値の割り出し方について解説いたします。分析には、下記のように大きく分けて3つのステップを要します。
①目的変数と説明変数を抽出する
まず分析したいデータを持ち出し、相互関係にあると予測される目的変数と説明変数を抽出します。例えば商品の売上について分析する場合の例をあげると、商品の売上数を目的変数とした場合の説明変数は、その商品を販売するにあたり要した日数、生産費や生産数などになり得ます。
②モデル式を仮定する
その次に、①で抽出した目的変数と説明変数を当てはめるモデル式を仮定します。
例)y=a×1+b2x2+c3x3
上記は一例ですが、yは目的変数、x1~x3は説明変数、a~cには定数が入ります。
③モデル式に数値を代入
エクセルを使って、目的変数など必要なデータをモデル式に代入します。そしてこの重回帰分析の結果と元々のデータを用いて「決定係数」を割り出し、モデル式が適切なものかどうかを確かめます。
具体例
上記の手順に沿って、まずは下記のように必要データを入力していきます。今回はわかりやすく、体重をテーマに重回帰分析を行っていきます。
エクセルのタブから「データ分析」という機能を選択したあと、さらに「回帰分析」という項目を選択します。その後、下図のように「入力Y範囲」のところに目的変数である体重を指定、「入力X範囲」の欄には説明変数である身長・腹囲・胸囲のセルを選択します。
OKボタンをクリックした後に、エクセル上に計算結果が表示されます。
さらにデータ結果を分かりやすくするために、これらの数値をグラフに変換し視覚化することでより理解が深まるでしょう。
まとめ
重回帰分析の基本的な内容、具体例をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
分析対象の要因とその結果における因果関係について詳しく調べ、その全てを数値化する方法を重回帰分析と言います。数字で統計的な予測ができ、分析結果をより根拠のあるデータとして活用することができる点は、重回帰分析の大きなメリットです。またこの分析データを利用することで、全く情報がなく予測のつかないフィールドにおいても現実的な予測ができるということから、重回帰分析はマーケティング戦略の中でも精度が高い分析方法の一つと言えます。一方でエクセルなどの機能を使わない限り、処理が非常に複雑で手間のかかる分析方法であるなどのデメリットもあります。しかしビジネスにおいてより正確な予測を立てるためにこの分析を行うことは、今後結果がプラスに働くことを考えると十分に時間を費やす価値のある分析方法ではないでしょうか。この記事を参考に、重回帰分析にトライしてみてください。
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