自由連想法とは
自由連想法とは精神分析学の父、ジークムント・フロイトにより生み出された精神分析方法です。フロイトは自由連想法を精神病患者の治療法として使用していました。自由連想法は、人間の心の中には自分自身では全く把握、意識することのできない心の領域があるということを前提に、そこに潜む無意識というものの存在を意識化することを目的としています。
現在では心理学以外の用途でも幅広く利用され、マーケティング調査などにもユーザー分析を目的に活用されています。特定の商品やサービス、ブランドにおいてユーザーがどのような印象を持っているかを調査したい場合、この自由連想法を利用することによってユーザーがそれらに対し抱いている素直な印象や考えを引き出すことができるのです。
精神分析学で使用される自由連想法を用いた治療方では、まずは患者にリラックスした状態になってもらうためソファやベッドに横になってもらいます。次に患者の頭に思い浮かんだ単語と、その単語から次に連想される単語、またその次の単語と、どんどん単語と単語を連結させるように自由に発言してもらいます。マーケティングの分野において自由連想法を活用する場合は、これを応用して使用します。精神分析の時と同じように、調査したい商品やサービスから連想される単語をユーザーに思いつくまま自由に回答してもらいます。しかしこの場合、単に「このブランドについてどう思いますか?」といった抽象的で答えづらい質問を投げるのではなく、シンプルで答えやすいような質問をした上で、回答者にはパッと思いついた単語、またはワンフレーズで済む内容の返答をしてもらうことが重要です。そうすることで、ユーザーからより素直で率直な回答を得ることができます。
自由連想法の具体例
では自由連想法のアイデアが掴めたころで、ここからは具体的な活用方法をご紹介します。
<質問例>
例えば、コンビニエンスストアのイメージについて回答者から意見をもらいたいと仮定します。そのコンビニエンスストアから連想される単語を分析し、それらを組み合わせて下記のような質問を行います。
質問1:夏といえば?
回答1:暑い
質問2:暑いといえば?
回答2:アイス
質問3:アイスといえば?
回答3:コンビニエンスストア
質問4:コンビニエンスストアといえば?
回答4:手軽
上記からわかるように、質問者は関連した単語を準備し、回答者はその内容に対してすぐに連想できる事柄を回答します。最後には回答者はコンビニエンスストアについて「手軽」という印象を持っているということが分かりました。
自由連想法を上手に活用するには
自由連想法を上手に活用するには、まず回答を得たいトピックから連想される「刺激語」を正しく調べ上げて準備しておくことです。刺激語とは、先ほどの例の中で質問内容としてあげた中の単語を指します。「コンビニエンスストア」という質問の最終段階までユーザーを誘導するため、「暑い」という選び抜かれたキーワードをあらかじめ準備しておく必要があるということです。
自由連想法の活用方法
先ほど例にあげた質問方法をマーケティング調査で活用しようとすると、質問項目が4つと多く、回答にも時間がかかるためどうしても回答人数が限られてしまいます。そこでおすすめなのは、的確な刺激語(質問項目)を一つだけに絞って多数の人数に回答してもらう方法です。例えば「この商品に対して思い浮かぶ言葉を教えてください」といった内容だと回答者も一回だけで回答が済み、ネット広告などに掲載することで回収率も上がってより精密なマーケティング分析に役立てることができます。
まとめ
自由連想法の活用方法について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。自由連想法を活用することによって、ユーザーからの率直な意見を得ることができるということが分かっていただけたかと思います。一昔前であればマスマーケティングのように対象を特定せず、画一化した方法を用いて戦略を立てることでマーケティング業務の仕事が成り立っていましたが、消費者層が幅広く複雑になってきた現代において、個人レベルの趣味や嗜好などに合わせたこのようなマーケティング戦略を行っていくことはもはや必要不可欠です。この記事が効果的なマーケティング戦略設計の手立てとなれば幸いです。
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